理論と方法
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特集 意図せざる結果
社会計画はなぜ失敗するのか?
佐藤 嘉倫
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1989 年 4 巻 1 号 p. 39-52

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抄録
 従来の社会計画論は社会計画の失敗メカニズムを的確に捉えることができなかった。その理由は、従来の社会計画論が「社会システムは通常の行為者の『理論や知識』(一次理論)に依存する」ということにあまり注意を払わなかったからである。このため、「社会計画の実施によって通常の行為者の一次理論が変動する」というようなケースを適切に扱うことができなかった。
 本稿では、分析モデルの構成要素として、計画主体の一次理論(政策と結果を結びつける理論)、通常の行為者の一次理論、通常の行為者の一次理論に依存する社会的メカニズム(政策と結果の実際の関係)を設定する。さらに、「社会計画の実施は通常の行為者の一次理論を変動させる」、「通常の行為者の一次理論の変動は社会的メカニズムを変動させる」という二つの仮定を置く。そして計画主体の一次理論と社会的メカニズムの一致・不一致、上の仮定の成立・不成立を組み合わせて、六つのケースを得る。これらの中、社会計画の失敗メカニズムに対応する三つのケースを検討し、失敗メカニズムを解明する。さらに、成功メカニズムに対応する残りの三つのケースも検討し、成功メカニズムの解明も行う。
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© 1989 数理社会学会
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