抄録
ヒラタケ菌床栽培における餡殻の培地材料としての適性を検討した.餡殻を栄養材として利用した場合,米糠あるいはフスマに対する餡殻の置換割合が高くなるにつれて子実体個数並びに子実体収量は減少した.餡殻を培地基材として利用した場合,スギオガ粉を餡殻で置換すると,子実体収量は増加した.子実体収量は,餡殻の置換割合が75%までは,置換割合と共に増加し,75%置換区でスギオガ粉単体区の1.2倍になった.しかし,餡殻100%置換区では,子実体収量は75%置換区より劣り,培地調整の作業効率は著しく低下した.これらのことから,ヒラタケ菌床栽培において,餡殻は栄養材としては通さないが,培地基材としてはスギオガ粉と混合して使用することにより有用であることが示唆された.