理論と方法
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特集 変化をとらえる
発達の基礎と評価
─児童の性役割の認知と内面化に関して─
渡辺 裕子原 純輔
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1989 年 4 巻 2 号 p. 2_57-2_75

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抄録
 「発達」を一般的に定義することは容易であるが、具体的な事象について何が「発達」といえるのかを論じようとすると、さまざまな困難に出会う。この論文では、このような問題を抱えている発達の具体的一領域として、「性役割の獲得過程」をとりあげ、1)児童における性役割の発達の評価基準を設定することと、2)基準を用いて発達の性差を評価すること、を目的とした。まず、発達の評価基準として理論的に検討すべき命題を提示し、異なる2つの年齢集団のデータに示される変化を発達の方向として捉え、この変化との異同により、命題に示される変化の、発達の評価基準としての妥当性をチェックした。つぎに、このようにして選ばれた基準の中から、性差の分析において適当である3つの基準を用いて、男児と女児のどちらが発達が進んでいると判断できるかを検討した。男児と女児との比較では、従来の研究結果に反して、一貫して男児の方が進んでいるという知見が得られた。最後に、発達の基準を設定することの積極的意義について、考察がなされた。
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© 1989 数理社会学会
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