脳と発達
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会長講演
小児期筋強直性ジストロフィーの臨床
大澤 真木子猪子 香代武藤 順子
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2009 年 41 巻 3 号 p. 163-170

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抄録

 筋強直性ジストロフィー (MyD) は筋萎縮, 筋強直, 多臓器障害を特徴とする. 第19染色体長腕のmyotonin protein kinase遺伝子 (DMPK) の3' 側非翻訳領域の不安定CTG三塩基反復配列が50回以上に伸長していることによる. 先天型MyD (CMyD) では, 多くは母がMyDである. CMyDは年齢により症状は変化するが, 幼児期・学童期には知的障害が問題であり, WISC-IIIでは言語性より動作性検査が低い. 前者では理解の評価点が低く包括的な判断, 社会性に困難があり, 後者では組合せが低く, 絵を全体的に認知し操作することに困難がある. K-ABCでも継時処理, 習得度課題に比し, 同時処理の課題の評価点が低く, 視空間認知, 集中力, 対人関係, 意欲の問題などが認められた.

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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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