脳と発達
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原著論文
発達障害がある児 (者) における行為障害の要因
横山 浩之廣瀬 三恵子奈良 千恵子涌澤 圭介萩野谷 和裕飯沼 一宇
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2009 年 41 巻 4 号 p. 264-267

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抄録

 10年間に行為障害 (conduct disorder; CD) を合併した発達障害13例を経験した. 虞犯行為を認めた平均年齢は8.9歳で, CDと診断し得た平均年齢は12.5歳であった. 全例で虐待を認めた. 司直による措置を受けた4例を除くと, 施設入所を余儀なくされた症例が9例中5例であった. 5例中4例でCDから離脱がみられた.
 同一性, 同一発達障害の症例を対照群として検討したところ, CD群では虐待と保護者の離婚が有意に多かった. 保護者の精神疾患の有無は両群間に有意差はなかったが, 対照群では, 有意に治療的介入を受けていた.
 家族を含めて治療的介入することが, 子どものCD併存を予防できる可能性が示唆されるが, よりよい治療的介入の検討が必要である.

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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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