2011 年 43 巻 3 号 p. 206-210
脳性麻痺の中で, 分娩時に低酸素症が原因で発生する例は, 全体の約20%であることを臨床研究で明らかにした. それ以外の原因と考えられる脳性麻痺の約75%が, 分娩時に正常でない胎児心拍数 (FHR) パターンが認められたことは, 感染症や先天異常といった低酸素以外の異常を妊娠および分娩中に診断することが, 予防や原因分析の観点からも重要である. 動物実験から, asphyxia中は血圧のみが脳障害の予測因子であり, asphyxia後の様々なパラメータを観察することが予後予測のために重要であることが示された. 分娩時asphyxiaの場合, 新生児の観察, 記録が重要であることを示した.