脳と発達
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高機能広汎性発達障害の早期徴候に関する予備的研究
宮地 泰士
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2011 年 43 巻 3 号 p. 239-240

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抄録

 知的障害を伴わない高機能広汎性発達障害 (以下HFPDD) 児を持つ母親を対象に, 自己記入式の質問紙を用いて, 子どもの発達の問題をいつ頃からどのようなことで気づいたのかを調査した. 親が最初に気づいた時期としては, 1歳から2歳未満の時期が最も多く, 1歳未満の時期を回答した親が22.8%いた. また, 具体的にどのようなことが気になったのかについては, 広汎性発達障害の診断基準にある3主徴の他に, 特に低年齢児において筋トーヌスの弱さや協調運動の問題, 活動意欲の低さといった内容が多く寄せられた. 今後HFPDDの早期徴候研究を進める上で, 運動機能の問題についても注目していくことが重要になるのではないかと思われた.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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