脳と発達
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原著論文
二次元尺度化による行動解析を用いた発達障害児におけるソーシャルスキルトレーニングの有効性評価
佐久間 隆介軍司 敦子後藤 隆章北 洋輔小池 敏英加我 牧子稲垣 真澄
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2012 年 44 巻 4 号 p. 320-326

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抄録

 コミュニケーション行動の習得にともなう行動変化の客観的な定量評価を目指し, 従来の行動観察法に加えて, 児の頭部方向を二次元平面上に展開する行動解析を行った. 発達障害児4名に, ソーシャルスキルトレーニング (SST) を行い, 前後の行動を比較した結果, ①コミュニケーション行動の増加と, ②ペア活動の相手を中心視野に捉えようとする注目行動の増加が認められた. ヒト位置情報の二次元尺度化は, ソーシャルスキルの治療的介入がもたらす行動における空間的時間的変化の可視化に有用であり, 従来の行動観察法を補う定量評価法の一つとして, 今後の応用が期待される.

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© 2012 一般社団法人日本小児神経学会
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