脳と発達
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原著論文
本邦における先天性筋無力症候群の臨床的特徴
苛原 香小牧 宏文本田 涼子奥村 彰久白石 一浩小林 悠東 慶輝中田 智彦大矢 寧佐々木 征行
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2012 年 44 巻 6 号 p. 450-454

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抄録

 【目的】先天性筋無力症候群 (congenital myasthenic syndrome ; CMS) の特徴を明らかにする.
 【方法】CMSと診断した5例の臨床経過, 診察所見, 電気生理学的所見などを後方視的に検討した.
 【結果】4例が乳児早期に筋力低下と運動発達遅滞, 1例は3歳時に運動不耐で発症した. 幼児期以降に1日単位で変動または数日間持続する筋力低下を全例で認めたのが特徴的で, 日内変動を示したのは1例のみであった. 反復神経刺激では, 遠位の運動神経では減衰を認めない例があった. 塩酸エドロフォニウム試験では, 眼瞼下垂を示した3例全例で改善を認めなかった. 全例で薬物治療による改善を示した.
 【結論】CMSはていねいな診察と電気生理検査により診断可能で薬物治療が行える疾患である.

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© 2012 一般社団法人日本小児神経学会
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