2013 年 45 巻 2 号 p. 110-114
難治頻回部分発作重積型急性脳炎 (acute encephalitis with refractory, repetitive partial seizures; AERRPS) は1986年に粟屋らにより報告され, 発熱に伴い顔面を中心とする持続の短い部分発作の頻発が特徴である. けいれんは極めて難治で遷延し, 難治てんかんと知能障害を残し予後不良である. 近年類似の疾患概念febrile infection-related epilepsy syndrome (FIRES) が提唱された. AERRPSの原因は不明だが, イオンチャネル遺伝子の異常や抗神経抗体との関連が示唆されている. 脳波上の周期性放電やMRIでの前障病変を認める例がある. 治療として主に高用量バルビタール酸が用いられているが弊害も指摘されている.