脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
テーマ企画4:自己免疫性脳炎Up-to-Date:自己免疫性脳炎の診断と治療
難治頻回部分発作重積型急性脳炎をめぐる最近の話題
佐久間 啓
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 45 巻 2 号 p. 110-114

詳細
抄録

 難治頻回部分発作重積型急性脳炎 (acute encephalitis with refractory, repetitive partial seizures; AERRPS) は1986年に粟屋らにより報告され, 発熱に伴い顔面を中心とする持続の短い部分発作の頻発が特徴である. けいれんは極めて難治で遷延し, 難治てんかんと知能障害を残し予後不良である. 近年類似の疾患概念febrile infection-related epilepsy syndrome (FIRES) が提唱された. AERRPSの原因は不明だが, イオンチャネル遺伝子の異常や抗神経抗体との関連が示唆されている. 脳波上の周期性放電やMRIでの前障病変を認める例がある. 治療として主に高用量バルビタール酸が用いられているが弊害も指摘されている.

著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top