2013 年 45 巻 3 号 p. 199-205
限局性皮質形成異常 (focal cortical dysplasia; FCD) による小児難治てんかん患者において, 発達予後の観点 (術前・術後2年のDQ/IQの変化) から外科治療の有用性を検討した. 対象は組織学的にFCDと診断され, 基礎疾患がなく, てんかん発病年齢が18歳未満の82名. 早発群20名 (平均発病年齢0.9歳) と遅発群62名 (6.8歳) に分けて評価した. DQ/IQは, 早発群 (平均±SD) 45.7±25.0→43.7±24.5, 遅発群73.4±13.4→74.6±13.9で有意な変化はなかったが, 早発群の発作消失例は精神年齢が改善した. また, 遅発群もIQが10以上上昇した症例では, 発作消失例が有意に多く, 外科治療により発作が消失すると発達が改善することが示唆された.