脳と発達
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シンポジウム1:小児てんかん外科―早期手術患者の発見と利点
小児の積極的早期てんかん外科治療
—小児神経科医は何を見て考えて行動すべきか?—
秋山 倫之
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2013 年 45 巻 3 号 p. 211-215

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抄録

 難治てんかん患者を診たら, てんかん診断の再確認と基礎疾患の確認のための精査を行う. 同時に外科治療の可能性も考える. 焦点切除術の適応例では, 発作抑制効果は外科治療の方が高い. 精査が困難な場合, 専門施設への紹介を考慮されたい. まず発作時ビデオ脳波とMRIを行う. MRIは, 微細な病変の見落としを最小限にするため, てんかんに特化した撮影条件を神経放射線科医との協力で作成して用いる. 必要に応じてPET, SPECT, 脳磁図等を行い, 手術適応を決定する. 術後の発達の最終転帰は術前の発達レベルに規定される. 発達レベルが落ちてしまう前に外科治療の可能性を見つけ出すことが, 小児神経科医の重要な役割である.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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