脳と発達
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原著論文
難治epileptic spasmsを有する症例におけるACTH療法反復施行の検討
池上 真理子高橋 幸利池田 浩子今井 克美大谷 英之久保田 裕子重松 秀夫高山 留美子最上 友紀子
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2013 年 45 巻 4 号 p. 281-287

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抄録

 【目的】ACTH療法反復施行の有効例の特徴を見出す.
 【方法】難治epileptic spasmsを有する症例で, 初回ACTH療法が無効あるいは初回ACTH療法有効後再発した症例25例において, ACTH療法反復施行後, 全てんかん発作が2カ月以上抑制された場合を短期抑制効果ありとし, Kaplan-Meier法を用いた長期効果の検討を行った.
 【結果】短期効果は, 2回目施行時にepileptic spasmsのみの症例では76.5%で有効, 複数の発作型をもつ症例では有効例はなかった.
 長期効果では, 複数発作型をもつ群と比較してepileptic spasmsのみをもつ群で有意に発作消失期間が長く, treatment-lagが2カ月以内の症例では長期効果が優れていた.
 【結論】ACTH療法反復施行では短期効果・長期効果ともに発作型の影響が大きいと考えられた.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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