脳と発達
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原著論文
急性脳症罹患後に生じた視覚認知障害の検討
栗原 まな宍戸 淳小萩沢 利孝吉橋 学藤田 弘之井田 博幸
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2013 年 45 巻 4 号 p. 299-303

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抄録

 【目的】急性脳症罹患後に生じる視覚認知障害の特徴を検討した.
 【方法】16歳未満で急性脳症に罹患し, 当院でリハビリテーションを行った103例を対象とした. 症例ごとに急性期の状況と後遺症の状況を調査し, 視覚認知障害がある群 (①群43例) とない群 (②群60例) で比較した. さらに視覚認知障害の症状, 評価方法, 対応方法をまとめた.
 【結果】平均発症年齢は, ①群3歳5カ月・②群2歳8カ月, 意識障害の持続は, 平均①群10.8日・②群7.7日であった. 頭部MRIの異常は, ①群で後頭部が, ②群で前頭部が多く, 脳血流の低下は, ①群で後頭部が多かった. 視覚認知障害の症状, 評価方法, 対応方法を述べた.
 【結論】急性脳症後に視覚認知障害を生じることが多いことを認識し, 早い時期から対応することが必要である.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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