脳と発達
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原著論文
福山型先天性筋ジストロフィー剖検例での脳幹機能の検討
中島 啓介林 雅晴
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2013 年 45 巻 6 号 p. 436-439

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抄録

 【目的】福山型先天性筋ジストロフィー (FCMD) 患者の予期せぬ死 (SUD) の病態を明らかにするため, 剖検例脳幹でSUD関連の解析を行った. 【方法】SUD1例, 急性死 (AD) 2例を含むFCMD剖検例9例でSUD関連マーカーに対する免疫組織化学染色を行った. 【結果】1) 多数例でserotonin神経が減少した. 2) SUD・AD例を含む5例の三叉神経脊髄路核で神経ペプチド表出が増強した. 3) SUD・AD例を含む3例の迷走神経背側核でc-Fos陽性細胞を確認した. 4) SUD例では全マーカーの異常がみられた. 【結論】SUD・AD例優位にSUD関連マーカーの異常を認め, FCMD脳幹部での機能的脆弱性が示唆された.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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