2014 年 46 巻 3 号 p. 179-186
【目的】Baclofen髄注 (ITB) 療法の小児痙縮に対する治療成績を分析したので報告する. 【方法】2012年3月の時点でITB療法のスクリーニングを受け, データ固定された17歳未満71名を対象とした. スクリーニング時, 埋め込み後1年以内, 2年以上の各時点で有効性, 合併症を検討した. 【結果】スクリーニング時にbaclofenが有効と判定された62名中43名がITB療法に移行した. 術後1年以内 : 有害事象19名30件, 内12名19件が副作用. 2年以上経過例21名 : 有害事象10名18件, 内4名9件が副作用. 主な副作用は筋緊張亢進, 肝機能異常, 血圧低下であった. 合併症発生率は従来の報告より少なかった. Ashworth評点は各時点で治療前に較べ有意に上肢・下肢とも軽減した (P<0.05). 【結論】小児重度痙縮に対するITB療法は安全に施行可能であり, 有効度は高い.