脳と発達
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原著論文
Lamotrigineの適正投与量設定におけるlamotrigine血中濃度測定の重要性
皆川 公夫渡邊 年秀大柳 玲嬉福村 忍
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2014 年 46 巻 5 号 p. 345-349

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抄録

 【目的】添付文書にしたがったlamotrigine (LTG) 維持投与量では血中濃度が上がらず, 効果がみられないことがある. われわれは薬物動態学的相互作用に基づいた投与量設定法を提案するとともにLTG血中濃度測定の重要性を指摘した. 【方法】Valproate sodium (VPA) 併用の有無, グルクロン酸抱合誘導抗てんかん薬 (EIAED) 併用の有無の組み合わせ別に単純化した簡易的方法により求めたLTG維持投与量を, 添付文書に記載されている維持投与量と比較した. 添付文書の投与量ではLTG血中濃度が上がらず効果がえられなかったため本方法による投与量を投与した3症例の経過を提示した. 【結果】添付文書に記載されているLTGの維持投与量は本方法による維持投与量よりもきわめて少なかった. 3症例ではLTG血中濃度が上昇し, 効果を得ることができた. 【結論】添付文書にしたがったLTGの投与量は適正でない場合があるため, LTG血中濃度の測定結果を参考に個々に適正投与量を設定することが必要である.

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© 2014 一般社団法人日本小児神経学会
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