脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
原著論文
Cockayne症候群患者由来細胞における酸化ストレス負荷後の致死高感受性および損傷DNA修復能力低下
喜多 和子杉田 克生
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 47 巻 4 号 p. 298-303

詳細
抄録
 【目的】Cockayne症候群患者由来細胞 (CS細胞) における酸化ストレス防御機能を調べるために, CS細胞の酸化ストレス負荷後の致死感受性と損傷DNA修復能力を解析した. 【方法】CS細胞として, 患者線維芽細胞から樹立されたCS3BES細胞 (CSA欠損) とCS1ANS細胞 (CSB欠損), 比較細胞として, 子宮頚癌由来HeLa細胞とヒト線維芽細胞由来RSa細胞を用いた. 酸化ストレスとしてX線照射と過酸化水素処理を行い, ストレス負荷後の細胞生存率を, コロニーサバイバル法とMTT (3- (4,5-dimethylthiazol-2-yl) -2,5-diphenyltetrazolium bromide) 法で調べた. DNA損傷と修復能力はコメットアッセイで解析した. 【結果】CS3BES細胞とCS1ANS細胞は, HeLa細胞およびRSa細胞に比べ, X線と過酸化水素による致死作用に対し高い感受性を示した. また, CS3BES細胞ではHeLa細胞に比べ, 過酸化水素あるいはX線による損傷DNAレベルがより高く, 修復能力は低下していた. 【結論】本研究結果は, CS3BES細胞とCS1ANS細胞はどちらも酸化ストレスに対し脆弱であることを明らかに示しており, CSAおよびCSBタンパク質がともに酸化ストレス防御に関わる可能性を示唆する.
著者関連情報
© 2015 一般社団法人日本小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top