脳と発達
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会長講演
小児神経学の新たな展開をめざして
—つながりの中で, 子どもを育む—
永井 利三郎
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2016 年 48 巻 2 号 p. 89-94

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抄録

 障害者の権利に関する条約の批准を受けて, 我が国の障害児支援は重要な局面に達している. 発達障害児だけではなく, 肢体不自由児など, 様々な課題のある子ども達全てへの支援において, 『「合理的配慮」とは何か』が問われている. 「合理的配慮」は, 教育, 福祉, 医療などの様々な分野での取り組みが求められており, 特に, その専門家である小児神経科医には, その取り組みにおいて, 中心的な役割を果たすことが求められている.
 発達障害児への支援は, 早期に開始するほどその子の成長に良い影響が得られることがさまざまな研究で示されており, その早期診断・早期支援は, 合理的配慮の中での大きな課題である.
 てんかんについては, 様々な誤解や偏見が, 以前から認められており, 学校教員や福祉職, 看護師など, 子どもの重要な支援者に対して, 正確な情報提供が求められている.

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© 2016 一般社団法人日本小児神経学会
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