脳と発達
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シンポジウム5:オートファジーと小児神経疾患
WDR45遺伝子変異によるオートファジー関連神経変性症SENDA/BPAN
村松 一洋
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2016 年 48 巻 3 号 p. 177-183

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抄録

 脳に鉄沈着を伴う神経変性症 (NBIA) の新たな一型で, 小児期からの非進行性の知的障害と成人以降に急速に進行するジストニア, パーキンソン様症状および認知症を呈する疾患としてSENDA/BPANがある. 全エクソーム解析からWDR45の変異が原因と判明した. WDR45は生物に必須の細胞内分解機構であるオートファジーに重要な分子WIPI4をコードする遺伝子である. SENDA/BPAN患者のリンパ芽球でオートファジー機能の障害が認められることから, 本疾患はオートファジー機能の低下が病態に関与した疾患といえる. 今後, 病態の解明や進行を抑制する画期的な治療法の開発を展開していく必要がある.

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© 2016 一般社団法人日本小児神経学会
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