脳と発達
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原著論文
初期乳児期における自発運動の変化を示すパラメータについての検討
—肘屈曲伸展運動の角加速度と角躍度に着目して—
五十嵐 守小山 秀紀出江 紳一
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2017 年 49 巻 1 号 p. 15-18

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抄録

 【目的】乳児期初期における自発運動の変化を, 肘屈曲伸展運動の角加速度と角躍度を指標に用いて表すことが可能かを検討した. 【方法】対象は胎生36週未満で生まれた早期産児15名であった. 修正月齢−1カ月から4カ月の期間に乳児が機嫌よく自発運動を行っている時の右肘の屈曲伸展運動について, 磁気式3次元動作解析装置を用いて計測し, その角加速度と角躍度のroot mean square (RMS) 値を算出, 月齢間で比較検討した. 【結果】角加速度のRMS値においてtermⅠ (修正月齢−1カ月・0カ月の群) の値に比べtermⅡ (修正月齢1カ月・2カ月の群) の値が小さな値を示し, 有意差を認めた (p<0.05). 角躍度のRMS値においてtermⅠの値に比べtermⅡとtermⅢ (修正月齢3カ月・4カ月の群) の値は有意に小さな値を示した (p<0.05). 【結論】初期乳児期の自発運動中の肘屈曲伸展運動の角加速度と角躍度のRMS値は, 乳児の発達変化を表す指標になり得る可能性が示唆された.

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© 2017 一般社団法人日本小児神経学会
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