2017 年 49 巻 3 号 p. 191-195
小児後天性脳損傷は多彩な症状を呈するが, 長期的には高次脳機能障害が問題となることが多い. 高次脳機能障害においては問題が変化していくため, 時間軸に沿った診療が必要である. 高次脳機能障害の評価は机上の検査と生活場面の観察を総合して行う. 高次脳機能障害の診療は身体管理, 認知リハビリテーション, 環境調整等を含む総合リハビリテーションである. 運動療法も有効かもしれない. エビデンスに乏しい部分が多いが, 支援を必要としている患者, 家族に手を差し伸べ, その知見を蓄積していくことが大切である. 小児 (神経) 科医のより積極的な関わりを促したい.