脳と発達
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症例報告
多彩な頭部画像所見を認めたCOL4A1関連疾患の1例
佐々木 彩恵子野崎 章仁才津 浩智宮武 聡子松本 直通熊田 知浩柴田 実藤井 達哉
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2017 年 49 巻 6 号 p. 405-407

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抄録

COL4A1はⅣ型コラーゲンのα1鎖をコードする遺伝子で, 孔脳症や裂脳症の原因となる. 我々は, 孔脳症・裂脳症を認めず, 多彩な頭部画像所見よりCOL4A1関連疾患の診断に至った1例を経験した. 症例は21歳女性. 正期産で仮死なく帝王切開で出生した. その後精神運動発達遅滞と小頭症を認めた. 7カ月時にWest症候群を発症した. 頭部画像検査で脳室周囲の白質病変, 側脳室拡大, 小脳萎縮と脳内石灰化を認めた. 原因確定はできず, 痙直型四肢麻痺として経過観察となった. 19歳時にラクナ脳梗塞を発症し, 上記画像所見に加えて微小脳出血および脳動脈瘤も判明した. 虚血性病変と出血性病変を伴っていたことより, COL4A1関連疾患の可能性を考慮した. 遺伝カウンセリングを行い, COL4A1遺伝子解析を行った. 新規なc.2504G>A (p.Gly835Glu) 変異をde novoに認め, COL4A1関連疾患と確定診断した. 原因不明の麻痺例の中にCOL4A1関連疾患が存在する可能性がある. また常染色体優性遺伝疾患であるため, 診断の際には遺伝カウンセリングが重要である.

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© 2017 一般社団法人日本小児神経学会
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