脳と発達
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原著論文
ケトンフォーミュラの難治てんかん症例における治療効果
高橋 幸利今井 克美山口 解冬大星 大観池田 浩子吉冨 晋作木水 友一小池 敬義堀野 朝子大松 泰生
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2018 年 50 巻 1 号 p. 44-49

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抄録

 【目的】ケトン食療法の治療効果を明らかにする. 【方法】難治てんかん53例において, 後方視的に検討した. 【結果】てんかん発作抑制率は6/53例 (11.3%) で, glucose transporter-1 (Glut-1) 異常症3/3例 (100%), 症候性全般てんかん1/6例 (16.7%), 症候性局在関連性てんかん2/15例 (13.3%) であった. ケトン食療法継続率は全症例の18/53例 (34%) で, Glut-1異常症は3/3例 (100%), 症候性全般てんかんは3/6例 (50%), Dravet症候群は3/10例 (30%) で, 平均継続日数は663.0±717.3日であった. ケトン食療法を導入し退院後, 入院日数, 救急受診回数, 救急搬送回数が減少した症例, 就園就学日数が増加した症例があった. 運動発達スコアは8例で, 知的発達スコアは7例で改善した. 【結論】ケトン食療法は, 小児難治てんかん症例の一部において, てんかん発作抑制効果がある.

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© 2018 一般社団法人日本小児神経学会
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