2018 年 50 巻 2 号 p. 125-127
ダウン症児の心理・行動特性に関するこれまでの研究では, 強さや課題となる特性が示されている. なかでも, 学齢期ダウン症児の行動上の課題として, 教育現場では頑固さが指摘されがちだ. 一方, 近年のダウン症児 (者) を対象とした研究や時代的なニーズからは, 当事者の想いや願いを考慮した当事者重視の支援とセルフアドボカシースキル獲得支援の必要性があげられる. 今後の教育現場におけるダウン症児への指導に関する課題として, 通常学級での支援の在り方, 効果測定と指導方法の確立, 当事者の立場を重視した “その子らしさ” を大切にした指導の必要性について論じた.