2019 年 51 巻 1 号 p. 33-34
【目的】児童発達支援センター等, 障害児通所支援事業所では様々な発達支援を要する児童および, 家族への支援を行っている. 外国にルーツを持つ子どもも在籍しており, その実態を把握するためにアンケート調査を実施した. 【方法】全国児童発達支援協議会にて加盟施設に対して毎年実施している実態調査に, 外国にルーツを持つ子どもについての項目を設け, 年齢と児童数, 保護者の国籍, 支援上の配慮, 支援の上での課題についてアンケート調査を行った. 【結果】加盟493施設のうち有効回答275件, 回収率55.7%, 総契約児13,759名中, 外国にルーツを持つ子どもは175名で, 1.27%であった. 父母とも中国国籍, 母が中国国籍, 母がフィリピン国籍が多く, また, 様々な国の国籍を持っていることが分かった. 配慮事項として, 言語に関わる内容が多くみられ, 給食を提供しているところでは, 食に関わる工夫が多く記述されていた. 課題として, 言語・文化背景の違いによる支援の難しさが挙げられていた. 【結論】多言語で書かれた日本の療育・教育システムの簡便なパンフレットおよび, より具体的な地域療育システムの説明パンフレットの作成, 文化背景の理解のために他国の療育・教育, 障害者支援システムの情報収集等が今後の課題と考えられた.