脳と発達
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<シンポジウム1:ADHDの周辺にある併存症について理解を深める>
注意欠如・多動症(ADHD)と睡眠障害
福水 道郎
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2022 年 54 巻 3 号 p. 170-175

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抄録

 注意欠如・多動症(ADHD)は側坐核,線条体,前頭葉などにおけるカテコラミンのみならずGABA,グルタミン酸神経系などの機能不全が病態の背景にあると言われ,様々な睡眠の問題を抱えている可能性がある.最近注目されている日中の過剰な眠気については,睡眠不足,起床困難といった睡眠習慣の問題や,不眠症,睡眠の質の異常,睡眠時随伴症,睡眠覚醒リズム障害,中枢性過眠症や睡眠関連呼吸障害などの睡眠-覚醒障害との関連にも注意する必要があるが,神経発達症に伴う独特な病態メカニズムによるものである可能性も高い.ADHDの病態に関連する睡眠–覚醒障害や睡眠習慣の問題と合併症とを各々鑑別し,それぞれに有効な対策をたてていく必要がある.

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© 2022 一般社団法人日本小児神経学会
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