2024 年 56 巻 6 号 p. 443-445
新生児期には無症状であったが乳児期に運動発達遅滞で発症しLeigh脳症様の臨床経過を呈したモリブデン補酵素欠損症A型(molybdenum cofactor deficiency type A;MoCD-A)を経験した.一般に認めるとされる低尿酸血症や血清アミノ酸(タウリン,シスチン等)の異常は認めず全ゲノムシーケンスでMOCS1遺伝子の既知ホモ接合型バリアント(NM_001358530.2 : c.949C>T[p.Arg317Cys])が同定され,MoCD-Aの診断に至った.Leigh脳症様の臨床所見を示す症例でも本疾患の可能性を検討する必要があると考えられた.