脳と発達
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レジェンドの軌跡:大田原俊輔
榎 日出夫井上 美智子吉永 治美小林 勝弘大塚 頌子
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2024 年 56 巻 6 号 p. 446-451

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抄録

 大田原俊輔は1930年2月に岡山県に生まれ,1956年に岡山大学を卒業した.1957年に岡山大学医学部小児科で小児てんかんの研究を開始し,日本で初めて16チャンネル脳波計を臨床に導入した.1979年に岡山大学医学部附属脳代謝研究施設発達神経科学部門教授,後に施設長に就任した.1987年に岡山大学医学部附属病院に診療科として小児神経科を独立させ,1992年に岡山大学医学部小児神経学講座を開設した.1974年に「サプレッション・バーストを伴う早期乳児てんかん性脳症(大田原症候群)」の原型となる病態概念を発表し,1976年に新しい疾患単位として確立した.同時に「年齢依存性てんかん性脳症」の概念を提唱し,現在の発達性てんかん性脳症の理解へと発展する道が開かれた.1995年に岡山大学を退官した後も精力的に活動していたが,2013年3月に83歳で永眠した.

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© 2024 一般社団法人日本小児神経学会
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