脳と発達
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進行性筋ジストロフィー症児における血中ミオグロビン測定の臨床的意義
安藤 恒三郎志水 哲也加藤 友義大澤 真木子福山 幸夫
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1978 年 10 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

Counterimmunoelectrophoresisによる血中ミオグロビン測定法を確立し, 進行性筋ジストロフィー症26例 (先天型13例, Duchenne型13例) の血中ミオグロビンを測定した. 血中ミオグロビン陽性率は, 先天型13例中4例 (31%), Duchenne型13例中11例 (85%) であった. ミオグロビン陽性例は, 血清CPK値と良く相関し, 血清CPK値が2, 500単位以上では, 15例中14例 (93%), 2, 500単位以下では, 11例中1例 (9%) に陽性であった. また, ミオグロビン陽性例は, 先天型は5才以下, Duchenne型は9才以下の症例であった. 先天型, Duchenne型におけるミ=オグロビン陽性率の差異は, 先天型の症例には機能障害度の進んだ例が多かったためと考えられ, 進行性筋ジストロフィー症児における血中ミオグロビンの存在は, 筋崩壊の範囲および速度, ひいては機能障害度とよりよく関連するものと思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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