脳と発達
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年齢別頭部CTスキャン所見のレ線的計測値
宮尾 益知石津 棟映丸山 博福山 幸夫
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1978 年 10 巻 6 号 p. 459-464

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抄録

松戸クリニックにてCT検査を行なった, 1, 500名のうち, 家族歴, 既往歴に異常なく, 神経学的に異常を認めなかった89名 (てんかん56名, けいれん2名, 頭痛19名, 頭部外傷11名, 神経症1名) において, 大脳最大縦径 (a), 大脳最大横径 (b), 側脳室前角最外側間距離 (c), 側脳室尾状核部間距離 (d), 第III脳室幅 (e), 大脳縦裂幅, シルビウス裂溝幅, くも膜下腔幅, 大脳溝幅をそれぞれ計測し, さらにa/b比, c/b比, d/b比を計算し, これらを0才, 1才, 2才, 3-4才, 5-9才, 10-15才, 16-39才, 40才以上の8年齢段階に分けて比較検討し, 以下の結果を得た.
側脳室前角最外側間距離と大脳の横径の比c/bは, 全例30%以下であった. 側脳室尾状核部間距離と大脳横径の比d/bは, 9-11%の間であった.第III脳室幅は, 全例5.7mm以下であった.大脳縦裂, シルビウス裂溝. くも膜下腔は, 2才以下特に1才未満で広く認められた. 40才以上においても広く認められた。脳回は, 1才未満および40才以上で幅1.9mm以下で認められることもあった。

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© 日本小児小児神経学会
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