脳と発達
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10 巻 , 6 号
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  • 黒森 信治, 椎原 弘章, 新井 博美, 高田 昌亮, 松田 博雄, 小川 敏郎, 木内 巻男, 有泉 基水, 馬場 一雄, 竹越 亮一, ...
    1978 年 10 巻 6 号 p. 434-438
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    頭蓋X線より頭蓋容積を算出する方法がいくつか報告されているが, 小児に関する報告は少ない.著者らはMac Kinnonらの公式を用いて本邦の小児について計測を行ない, 日常行なわれている頭囲との関係を検討し, さらに性別による容積の発達曲線の作製を試みた. 対象は正常頭蓋形を有する生後28日から14才の173名で男児101名, 女児72名であった. 頭囲とは有意に相関し, r=0.93, 回帰方程式はY=66.1X-1, 820. 発達曲線は両性ともに2才まで急速に増加し, 以後は性差を示しながら漸増し頭囲発達曲線に類似したパターンを示した.
  • 埜中 征哉, 宇根 幸治, 松石 豊次郎, 長尾 秀夫
    1978 年 10 巻 6 号 p. 439-445
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    人の骨格筋はATPase染色でtype I, IIA, IIB, IIC線維の四種に分けられる. IIC線維は胎児にみられる未分化な幼若な線維で健康人にはほとんどみられない. このIIC線維が乳児期の各種神経筋疾患で高頻度に認められたのでその意義について考察した. Werdnig-Hoffmann病の3例では全例にIIC線維が認められ, その頻度は症例ごとによって異なっていたが, 個々の筋束では8-65%に存在し, 平均20%であった. 福山型先天性筋ジストロフィー症では26.3%に, 生下時頸髄損傷をうけたと思われる麻痺児では8.8%であった. 各種筋疾患で再生した筋もIIC反応を示すとされているが, 今回の例では再生現象はあってもきわめて少ないと思われる. よってこの多くのIIC線維は筋が分化する以前あるいは途中で何らかの傷害が加わったため, 分化が停止ないし遅延した結果と思われる.
  • 藤原 悟, 児玉 南海雄, 桜井 芳明, 堀 重昭
    1978 年 10 巻 6 号 p. 446-451
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    7ヵ月から10才9ヵ月までの小児Moyamoya病6例のCTスキャン所見につき, Moyamoya血管の存在する大脳基底核領域が描出される1スライスを選び, ポラロイド写真による肉眼的所見とプリントアウトデータに基づくEMI値による検討の2方法を用い, 正常小児5例と比較検討した.
    その結果, 小児Moyamoya病のCTスキャニングの肉眼的異常所見は大脳皮質を含めた白質部を中心とするlow density areaであり, その広がり・程度及び局在はそれぞれ臨床症状の軽重や神経症状のlateralityと比較的良い相関を示した. また広汎なlow density areaを呈した重症例をも含め, 全例において大脳基底核領域は正常像を呈し, その部のEMI値も1例1側を除き全例において正常値を示していた.
  • 銭場 明男, 牧 豊, 原 美智子, 奥山 裕子
    1978 年 10 巻 6 号 p. 452-458
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    Sturge-Weber病いの頭蓋内病変の正確な範囲を知る目的で8例の本症にCTスキャンを行ない, そのうち6例にはenhancement studyも施行した. それらの所見のうち, 今回は主にenhancement studyによる所見を中心に報告した. その結果は次のとおりである.
    1) nonenhanced CTスキャンは本症の二次的な頭蓋内病変である石灰沈着や脳拮縮の検出に優れており, その石灰沈着の範囲からlocalized typeとdiffuse typeに分けられる.
    2) leptomeningeal angiomatosisを含めた真の病変の拡がりを知るためにはenhacementstudyがきわめて有用で, nonenhanced CTスキャンではまだ石灰沈着の認め られないような症例でもenhancement studyを行なうことにより早期診断が可能であると思われる.
    3) choroid plexusの異常にenhancedされた症例が6例中5例と多く, これらの症例ではその部にもangiomatosisが存在するものと考えられる.
    4) nonenhanced CTスキャンでlocalized typeを示した3例のうち, 1例はenhancementstudyによってdiffuseにenhancedされた.本症のような場合には将来diffuse typeに移行すると思われる.このようにnonenhanced CTスキャン上localized typeを示す症例の中に, 将来はdiffuse typeとなるものも含まれている可能性がある.
    5) Sturge-Weber病では, すでに高度に石灰沈着の起こった部位はほとんどenhancdされない. このため個々の症例において, 全頭蓋内病変部位に対する石灰沈着の占める範囲が加齢と共に拡大していくにつれ, enhancedされる範囲は逆に減少していくものと思われる.
  • 宮尾 益知, 石津 棟映, 丸山 博, 福山 幸夫
    1978 年 10 巻 6 号 p. 459-464
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    松戸クリニックにてCT検査を行なった, 1, 500名のうち, 家族歴, 既往歴に異常なく, 神経学的に異常を認めなかった89名 (てんかん56名, けいれん2名, 頭痛19名, 頭部外傷11名, 神経症1名) において, 大脳最大縦径 (a), 大脳最大横径 (b), 側脳室前角最外側間距離 (c), 側脳室尾状核部間距離 (d), 第III脳室幅 (e), 大脳縦裂幅, シルビウス裂溝幅, くも膜下腔幅, 大脳溝幅をそれぞれ計測し, さらにa/b比, c/b比, d/b比を計算し, これらを0才, 1才, 2才, 3-4才, 5-9才, 10-15才, 16-39才, 40才以上の8年齢段階に分けて比較検討し, 以下の結果を得た.
    側脳室前角最外側間距離と大脳の横径の比c/bは, 全例30%以下であった. 側脳室尾状核部間距離と大脳横径の比d/bは, 9-11%の間であった.第III脳室幅は, 全例5.7mm以下であった.大脳縦裂, シルビウス裂溝. くも膜下腔は, 2才以下特に1才未満で広く認められた. 40才以上においても広く認められた。脳回は, 1才未満および40才以上で幅1.9mm以下で認められることもあった。
  • 橋本 俊顕, 日浦 恭一, 鈴江 純史, 小林 美子, 河野 登, 高橋 民夫, 遠藤 彰一, 福田 邦明
    1978 年 10 巻 6 号 p. 465-472
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    Cockayne症候群の姉妹例について報告し, さらに自験例を含む本邦報告例20例の臨床像についてまとめた.
    R. O. 例は生後3ヵ月頃より発達遅滞が出現し, 現在は小人症, pepper and salt type網膜色素変性, 日光過敏症, 小頭症, 運動障害, 小脳症状等があり, 典型的い本症候群と思われた.
    S. O.例は生後8ヵ月頃より運動発達の遅れが出現し, 現在はpepper and salt type網膜色素変性, 日光過敏症, 小頭症, 精神発達遅滞, 小脳症状等がみられる.体格は小さいが小人症ではいかった. 本例は非典型例と考えられた.
    CTスキャンでは両例とも基底核に石灰沈着がみられた. 特にR. O. 例ではコンレイ静注により基底核の石灰沈着の陰影が増強され, 脳血液関門の破壊が考えられた.
    末梢神経伝導速度はR.O.例では著明に低下し, S. O. 例では正常下限ないしは軽度低下がみられた. 本症候群ではperipheral neuropathyの存在が示唆された.
    本邦報告例における本症候群の臨床像は以下のごとくである.推定発症年齢は生後1ヵ月から3才, 性別は男10例, 女9例, 不明1例で差はいく, 家族歴では17家系中11家系に血族結婚がみられ, 同胞発症は3家系, 6例であり, 常染色体性劣性遺伝が考えられた. 臨床症状では精薄は20例中19例, 小人症は20例中17例, 日光過敏症は20例中16例, 網膜色素変性は20例中15例, 小頭症は20例中16例, 関節の拘縮は20例中16例であり, その他比較的多いものとして難聴, 眼球陥没, 視神経萎縮, 小脳症状等がみられた.
  • 横山 純好, 溝尻 素子, 森下 順彦, 神沢 光江, 中村 正文, 奥村 司, 児玉 荘一
    1978 年 10 巻 6 号 p. 473-476
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    小児急性片麻痺で発症し, 脳血管写により脳動脈瘤を合併した遺残性原始三叉神経動脈 (persistent primitive trigeminal artery, PTA) の存在を証明し得た2才2ヵ月の女児例を経験した. 患児は在胎中及び新生児期には特記すべき異常は認められず, 1975年7月9日に最初の大発作型痙攣発作がおこるまでは正常に発育していた. 痙攣発作後直ちに某病院に入院し治療を受けたが高熱と共に痙攣は約6時間持続し, 意識回復後に右弛緩性片麻痺と失語症を残した. 発病7日後精密検査の目的で本院に入院した. 神経学的検査では右側深部腱反射がやや減弱している以外は特に異常を認めいかった. 腰椎穿刺による脳脊髄液は正常であった. 脳波では左半球に徐波を認め, 右側に比べ低振幅であった. 頸動脈写により左PTAと左内頸動脈に2つの脳動脈瘤を認めた. 脳動脈瘤を合併したPTAは稀であり特に小児においては稀であるので症例報告をする.
  • 松石 豊次郎, 芳野 信, 猪口 哲夫, 矢野 英二, 笹栗 靖之, 山本 正士, 渋谷 幸彦
    1978 年 10 巻 6 号 p. 477-484
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    周期的い嘔吐および筋力低下を伴った3才6ヵ月の男児. 来院時心不全症状が見られ, 血清CPK 214, GOT 184, GPT 63, LDH 2650と上昇し, GOT分画ではm-GOT 115 (m/s=1.2) とミトコンドリアの障害が推測された. また高乳酸, 高ピルビン酸血症と代謝性アシドーシスがあり, 各種検査のうちアラニン負荷試験で異常を認めた. 本症例では骨格筋および肝臓のミトコンドリアの形態異常があり, 心筋症もおこし, 脳内でも同様の病態が考えられ, 全身のミトコンドリアの異常を推定した.
    その後4才半で大発作型痙攣, 5才時躯幹のアタキシー, 失声, 嚥下障害, 呼吸不全が出現し軽快と増悪をくり返している.
    尿でサイアミン阻害物質 (thiamine pyrophosphate-adenosine triphosphate phosphoryl transferaseのinhibitory factor) を証明し, 臨床経過と合わせてLeigh脳症を疑った1例を報告する.
  • 吉嶋 淳生, 曽我部 紘一郎, 松本 圭蔵
    1978 年 10 巻 6 号 p. 485-490
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    才男子.昭和50年6月5日より38-39℃の弛張熱が持続し, 項部強直, ケルニッヒ徴候, 嘔吐, 頭痛などがあり, 他病院で化膿性髄膜炎として治療を受けていた・しかし, 一般状態が改善したにもかかわらず髄液所見はまったく改善しなかったので診断と治療を希望し, 8月2日来院した. 脳シンチグラフィー, 脳血管写にて左頭頂部の占拠性病変を疑い, 11月4日開頭術を行なった. 左頭頂部に大きさ約179の膿瘍が存在し, それをほぼ全摘出した・組織学的所見は, tuberculous meningitisであった. そこでStreptomycin (SM), Isonicotinic acid hydrazide (INH), Etanbutol (EB) およびRifampicin (RFP) などの投与を行なうとともに, 脳圧亢進状態に対しては, 外減圧術, 脳室ドレナージ, さらにひきつづき脳室腹腔短絡術を施行した. 患児は症状の改善をみ, 両眼は失明したが, 現在運動麻痺その他の神経学的欠損症状はなく元気に生活を送っている.
    結核性髄膜炎は今日ではあまりみられない. そのうちでも脳膿瘍形成は, はなはだ少なくまた致命的である場合が多い. この例では開頭術により組織標本をえて診断でき, さらに治療に成功したのは脳神経外科的処置の併用が有効であったと思われる.
  • 武田 英二, 戸島 健治, 河野 登, 西庄 かほる, 黒田 泰弘
    1978 年 10 巻 6 号 p. 491-499
    発行日: 1978/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    濃厚な血族結婚のある家系にみられたcystathione synthetase欠損によるビタミンB6反応性のホモシスチン尿症とCockayne症候群の姉妹例を報告した. 両疾患は別個の疾患であると考えられているが, いずれも常染色体劣性遺伝であり, 眼, 骨格, 神経, 心血管系その他に類似の異常が認められるので, 両疾患の関連性について述べた.
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