1979 年 11 巻 1 号 p. 17-24
てんかん発作国際分類による「脳波上焦点性発作波を呈する部分発作」に対するDiphenylhydantoin(以下DPH)の効果につき検討し,Phenobarbital(以下PB)併用者に対してはその効果も検討した.臨床発作型はほとんどが運動発作で,一部感覚発作を主症状とした例もあった.症例は30例で,いずれもDPHを服用し,かつ血中濃度を測定した例に限り,脳波上は焦点性の発作波をもち,左右に出現する場合は同期しないことを条件とした.上記30例中21例はDPHが通常いわれている有効血中濃度10μ9/ml以上の場合のみならず,それ以下の場合でも治療に良く反応したが,その臨床発作型は,ほとんどが部分発作が二次性に全汎化したと考えられる全身性痙攣であった.