われわれは毎日食物を摂取して, それを消化吸収の後, 活動や代謝のエネルギー源として利用している. 特に小児においては, これに成長のためのエネルギーが必要である.小児早期の栄養障害は, 身体的発育障害だけでなく, 精神的発達にも悪影響を与える.逆に, 摂取カロリーの過剰は肥満を発生させ, 将来の成人病の誘因ともなる. このように, 食物摂取の状態は, われわれの健康に大きな影響を与えている. この摂食行動はどのように調節されているのであろうか.最近多くの動物実験により, 摂食調節機構の解明が進んできており, これは人間の摂食行動理解のためにも有意義と考えられる.