脳と発達
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乳児期年齢依存性てんかんの終夜睡眠ポリグラフ的研究
堀田 秀樹
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1979 年 11 巻 3 号 p. 247-259

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抄録
点頭てんかん4例,E.1.E.E.1例を対象として終夜睡眠ポリグラフィーを用い,ホルモン療法による睡眠経過,自律系(脈拍・呼吸),発作波の変動,並びに予後との関係について検討し,次の結果をえた.
1)睡眠経過についてみると,ホルモン療法中,全例覚醒時間の増加がみられ,REM睡眠については予後良好例に比べ不良例ではREM睡眠の減少,REM密度の低下が著明であった.NREM睡眠については,ACTH使用では減少し,hydrocortisone使用では増加の傾向にあった.
2)自律系についてみるとホルモン療法中予後良好例では脈拍が軽度増加を示し,不良例では著明な減少を示した.呼吸数についてはE.1.EE,の例でACTH療法中著明な増加を示したが,その他の場合には著明な変化を認めなかった.
3)発作波については点頭てんかんのうちhypsarhythmiaを示した例ではホルモン療法により発作波が著減し,focalspikesを示した例,supPression一burstactivitiesを示したE ,1.E.E.の例では軽減ないし増加を認めた.以上の結果をふまえ,ホルモン療法の作用機序,ホルモン療法と予後との関係につき考察を加えた.
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© 日本小児小児神経学会
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