抄録
ヵ月から15歳のてんかん児, 大発作 (GM) 群43名, 部分発作 (P) 群50名の頭部CTを検討した.
(1) CT異常はGM群の19%, P群の40%に認め, 周産期などに何らかの既往歴を有する例や知能障害を有する例に高率であった.
(2) P群のCT所見と脳波所見の関係は, 限局性脳波異常を示した44例中13例 (30%) にCT局所異常を認めたが, 部位間の一致率は低く (4/44), 特に限局性発作波を示したものでは低かった (2/40). しかし, 背景活動の持続性限局性異常を示した15例では, CT. 脳波間の異常部位一致率は73%と高かった.
(3) 2歳以上でのbicaudate cerebroventricular index (B-CVI) は対照群19名で10.0±1.2 (平均値± 標準偏差) であった. 脳室狭小を対照群の5%, GM群の17%, P群の27%に認めた. 脳室狭小群では発作抑制例がやや多かった. 発作初発からCT検査までの期間. 投薬期間・脳波所見のいずれも脳室狭小と相関をみなかった. 他方, 視観的脳萎縮とB-CVIの数値はよく一致した.