脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
新生児未熟児頭部CTスキャン所見の検討
松田 博雄志村 浩二山崎 駿
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 13 巻 5 号 p. 389-398

詳細
抄録

新生児未熟児204例の新生児期および乳児期の頭部computed tomography (CT) 所見を検討し, 以下の結果を得た.
1) 頭蓋内出血などの異常CT所見のみられない, 肺硝子膜症, 無呼吸発作, 無症候性, 一過性低血糖症, 低カルシウム血症のみられた70例においては, 受胎後44週までは, periventricular lucencyは93%に, temporalのextracerebral spaceの開大は86%に認められた. wideinterhemispheric fissureは, 極小未熟児においては, 満期前にも認められた.
2) 39例が頭蓋内出血と診断され, CTは出血の部位, 程度の診断に有用であった.
3) 水頭症, 脳梁欠損, クモ膜嚢腫などの脳内奇形の診断には, CTは最も有用であった.
4) 30例の重症仮死児には, 頭蓋内出血 (19例), diffuse low density (3例), diffuse highdensity (11例) などめ多彩な所見を認めた.
5) 新生児期, 乳児期早期の異常CT像と神径学的予後との関連では, CTによる頭蓋内出血の程度と予後はよく一致した. Diffuse low density, 新生児期, 乳児期早期の脳室拡大を呈した児の予後は悪かつた.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top