抄録
我々は5MHz機械式セクタースキャナを用い, 大泉門をacoustic windowとして, 超音波断層法による頭蓋内構造物の観察を行った.
1. 本法は完全な鎮静を必要とせず, 非侵襲的に画像を観察しながら施行できる.
2. 本法断層像の表示は冠状断面 (coronal section) では画面の右を患者の右側とし, 矢状断面 (sagittal section) では画面の右を患者の前頭方向とした.また8つの基準断層面を設定した.
3. 本法断層像において, 脳室, 脈絡叢や視床, レンズ核, 脳幹, 小脳などの描出が可能で, それぞれ特徴的な所見を示した.