脳と発達
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小児てんかんにおける出生前要因の検討
第1編: 出生前要因に基づくてんかんの臨床的研究
松田 都
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1985 年 17 巻 3 号 p. 231-237

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抄録

出生前要因に基づく小児てんかんの特徴を明らかにする目的で, 出生前要因が強く推測されるてんかん187例を, 家族性痙攣素因群 (素因群) と器質性脳病変群 (器質群) に大別して臨床的特徴を検討し, 以下の結果を得た.
1) 素因群96例では, 生後6カ月から4歳までに発症するものが多く, 原発全汎てんかん23例 (24.0%) および部分てんかん73例 (76.0%) であった.
2) 器質群91例では, 生後6カ月以下の早発例が多かった.この群では続発全汎てんかん38例 (41.8%) および部分てんかん53例 (58.2%) であり, West症候群を主体とする年齢依存性てんかん性脳症が高率であった.
3) 素因群には予後良好例が多く, 器質群には難治例が多かった.

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© 日本小児小児神経学会
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