脳と発達
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札幌市児童相談所における神経小児科医の役割
石川 丹
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1985 年 17 巻 4 号 p. 287-292

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抄録

昭和55~57年度の3年間に札幌市児童相談所の小児科嘱託医の診察 (以下医診と略記) を受けた368名について検討した.
1) 医診件数は3年で1.5倍に増加した.2) 対象児の平均年齢は5歳, ピーク年齢は3~4歳であった.3) 診察目的は福祉手当のためと経過観察が年毎に増加していた.4) 診断は精神遅滞, ダウン症候群, てんかん, 言語遅滞, 脳性麻痺などが多く, 自閉症は少なかった.5) 発達の遅れを取り戻した例は23名と少なかった.6) 改めて病院での医療を必要とした児は1/6もいた.
これらの結果から発達障害に関わる神経小児科医と児童相談所のあり方について若干論じた.

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© 日本小児小児神経学会
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