脳と発達
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重症脳性麻痺児における脳幹の病理学的変化について
周産期障害を中心に
小出 博義
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1985 年 17 巻 4 号 p. 293-300

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抄録
脳性麻痺のない精神薄弱4例, 核黄疸後遺症4例, 脳炎・脳症後遺症4例, 仮死を伴う周産期障害後遺症15例, 総計27例に, その脳幹病変を検索し, 臨床症候, 大脳・視床・基底核・小脳病変と比較検討した.
重症脳性麻痺例では, 脳幹病変を認める例が多かった.周産期障害例の脳幹で傷害を受け易い=部位は, 下オリーブ核・前庭神経核・迷走神経核・橋核・二次変性としての錐体路であり, 延髄網様体・上丘・下丘・黒質・赤核・動眼神経核・三叉神経核・舌下神経核にも認めた.
神経細胞病変が軽度なものでも, アストロサイトの反応性増殖を認めるものが多い.
脳性麻痺に高頻度に前庭神経機能障害を認めることの神経病理学的裏付けが得られた.
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© 日本小児小児神経学会
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