脳と発達
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抗てんかん薬の14C-diazepam血清蛋白結合率に及ぼす影響
三牧 孝至鈴木 保宏田川 哲三田中 順子寺田 春郎井藤 尚之原田 滋子藪内 百治
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1985 年 17 巻 6 号 p. 485-490

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抄録
14C-diazepamのヒト血清蛋白結合率を, 遠心濾過法により測定した. 健康成人の14C-diazepam血清蛋白結合率は98.1±0.5%(mean±SD, n=24) であった. 14C-diazepamが2μmol/lの濃度下で, 健康成人血清1mlに, バルプロ酸ナトリウムをおのおの500μmol/4750μmol/l, 1,000μmol/l加えると, 14C-diazepamの遊離型が1.75±0.42%(mean±SD, n=6) からおのおの2.78±0.64%, 3.51±0.71%, 4.05±0.75%に, 有意に増加した (P<0.001). バルプロ酸ナトリウムが14C-diazepamの遊離型を増加させる機序として, 14C-diazepamの蛋白結合部位で, 競合的に阻害することが明らかにされた. phenytoin, phenobarbital, carbamazepineはいずれも, 有効治療濃度下およびそれらを上回る濃度下でも, 14C-diazepam血清蛋白結合率に影響を及ぼさなかった.
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© 日本小児小児神経学会
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