脳と発達
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遺伝性運動・感覚性ニューロパチーの生検末梢神経の病理学的検討
杉江 陽子洲鎌 倫子洲鎌 盛一香坂 忍渋谷 富雄杉江 秀夫福山 幸夫
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1985 年 17 巻 6 号 p. 500-506

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抄録

小児の遺伝性運動・感覚性ニューロパチー (HMSN) 4例を経験し, うち3例に腓腹神経生検を行った. 臨床および病理学的検討の結果, 2例は典型的なDyck分類HMSN type Iの兄弟例. 他の2例はHMSN type IIと思われた.
病因論的にDyckらはHMSN type Iの軸索障害一次説を提唱しており, 自験例兄弟例においても症状の重症度と腓腹神経軸索萎縮の程度が相関する所見が得られ興味深かった.
またOuvrierらはDyck分類にあてはまらない機能的予後不良な小児発症のHMSNを報告したが, 自験例のHMSNtypeHと思われる2例は, Ouvrierらの報告例の特徴を一部備えており, 今後も慎重な観察を要すると思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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