脳と発達
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被角血管腫を欠くファブリー病の1例
臨床所見と末梢神経・筋の形態学的検討
隅 清臣井藤 尚之高橋 学橋本 重夫安部 治郎岡田 伸太郎門田 永治長浦 智明豊 徹藪内 百治
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キーワード: Fary病, 四肢痛, 末梢神経, 筋紡錘
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1986 年 18 巻 1 号 p. 49-54

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抄録
被角血管腫を欠く14歳のFabry病の男児である. 患者に発汗障害, 白血球α-galactosidase活性の著明な低下, 封入体などの所見を認め, Fabry病と診断した. 母の活性も中等度に低下していた. 生検末梢神経の有髄線維数は正常であったが, 大径線維はやや減少していた.無髄線維の数および分布は正常であった. 末梢神経組織の電顕では封入体が神経周膜細胞とシュワン細胞および血管壁に多数沈着していた. 筋組織ではextrafusalfiberにはみられず, 筋紡錘内の筋線維および神経周膜細胞に認めた. 患者の疼痛はcarbamazepineで軽減した.
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© 日本小児小児神経学会
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