脳と発達
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重症心身障害児の反復性嘔吐
その機序とdomperidone経口投与の効果
石川 丹提島 俊一角谷 憲史香坂 忍梶井 直文永島 哲郎佐久間 伸子
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1986 年 18 巻 2 号 p. 128-133

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抄録

反復性嘔吐を主訴とする重症心身障害児7例に上部消化管造影と下部食道pHモニタリングを施行し, 胃食道逆流現象を検討した.
診断時平均年齢は3歳3カ月, 発達年齢の平均は4カ月であった.嘔吐の出現は先天的な病因によると思われる3例ではいずれも新生児期から, 後天的病因によると思われる4例では1歳以降にみられた.
6例にdomperidoneを経口投与したところ4例で著効を呈し嘔吐が消失した.この4例はいずれも後天的病因によって胃食道逆流現象をきたしたと考えられた.
臨床的に嘔吐が消失していても, 下部食道pHモニタリングをすると胃食道逆流現象をなお認める場合があった.

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© 日本小児小児神経学会
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