1986 年 18 巻 5 号 p. 365-371
5年以上経過観察しえた点頭てんかんを特発性 (C), 症候性 (S) に分類し, さらに初期療法に基づいて, C1, S1 (ACTH-Z 0.25mg [10単位] ~0.5mg [20単位]/日を14日以上連日投与例), C2, S2 (上記以下の量, 回数でのACTH, または他剤投与例) に分類した。C1 13例, C2 9例, S1 4例, S2 12例である. 現在発作があるものは, C1 8%, C2 11%, S1 50%, S2 58%, 普通学校に在学, 卒業したものは, C1 69%, C2 44%, S1 0%, S2 8%である. C1の発作, 教育的能力は良好であり, 欧米における大量, 長期療法に比し, その長期予後に関して, ほぼ遜色のない成績を得たが, さらに少量短期投予例を含むC2との差異は今後の検討課題としたい.