脳と発達
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年齢依存性てんかん性脳症の睡眠
終夜睡眠ポリグラムによる継時的検討
神山 潤下平 雅之川野 豊泉田 京子林 雅晴鈴木 秀典小木曽 正勝岩川 善英
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1986 年 18 巻 5 号 p. 380-386

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抄録

年齢依存性てんかん性脳症 (ADEE) 患児8名 [West症候群3名, Lennox症候群 (LS) 5名] で, 終夜睡眠ポリグラム (PSG) を継時的に検討した. PSGは初回記録後11カ月から5年に亘り, 1患児に2から5回, 計26回施行した.
いずれの時期の記録とも, REM期の出現は徐波睡眠期に比し保たれたが, 睡眠経過に伴う両者の出現リズムは異常であった. REM期の急速水平眼球運動の頻度の異常が, LS群で目立ったが, 加齢と対応する一定の傾向は認めなかった. 睡眠中の体動は, twitch movement (TM) を中心に, 全例に初回記録で睡眠段階毎の出現パターンの異常, あるいは出現頻度の低値を認めた. そして加齢とともにパターンは正常化する傾向を示したものの, REM期のTMは異常に増加した.
ADEEの病態生理を, 睡眠諸要素を支配する神経機構との関連で論じた.

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© 日本小児小児神経学会
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