脳と発達
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遺伝性進行性ジストニアの1例
L-DOPA治療前後におけるカテコールアミン代謝の検討
下山田 洋三吉川 明男柏井 洋臣紀平 省悟小池 通夫
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1986 年 18 巻 6 号 p. 505-509

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抄録
5歳で発症した遺伝性進行性ジストニアの1女児例についてL-DOPA投与前後の血液・尿・髄液中のカテコールアミンとその代謝産物を測定し, 検討した. (1) L-DOPA投与前, 髄液中ドーパミンは夕方には朝の1/3に減少したが朝夕とも正常範囲内にあった.その他はすべて朝夕の差はなかった. (2) L-DOPAが有効量に達したとき髄液中ドーパミンは正常の90倍に増加した.これらの結果から本症の病因について, 脳内ドーパミンの量的な欠乏だけでは説明しきれない例のあることを示唆した.
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© 日本小児小児神経学会
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