新生児硬膜外血腫の2治験例を報告した. いずれも満期産成熟男児で, いずれも頭蓋骨骨折が認められた.症状発現と同時に頭部エコーで診断し, 頭部CT-scanで確認した. 2例とも頭血腫を穿刺吸引することにより, 硬膜外血腫も消失し, 再発もなく, 1年後の現在神経学的後遺症なく治癒している. 文献的報告例をあわせて14例, 全例満期産成熟児であり, 男児に圧倒的に多かった. 過去の報告例ではほとんどの症例に手術療法 (12例中9例) が適用されているが, 新生児硬膜外血腫は骨折部を介して頭血腫と交通していることもあるので, 頭部エコーなどで観察しながら, 充分注意を払って, まず頭血腫の穿刺吸引を行ってみることが治療上重要であると考えられた. 急性期を乗り越えれば予後は良好であると考えられる.