脳と発達
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パルス療法が有効であった小児多発性硬化症の1例
滝沢 恭子田中 能久隅 清臣杉田 隆博原田 貢志
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1987 年 19 巻 4 号 p. 328-332

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抄録
歳発症の多発性硬化症で, 上気道感染による発熱ののち再発を繰り返す男児例を経験した. 初発時プレドニゾロンの経口投与で臨床神経症状は改善したが, 初回の再燃以後, 後遺症として高度の失調を認めた. その後, 新たな後遺症予防のため臨床症状から再発が考えられた時には, 髄液IgG, ミエリン塩基性蛋白を指標にしてメチルプレドニゾロンによるパルス療法を行った. その結果, 神経症状は完全に消失し, 正常な日常生活を送ることができ, 髄液IgG, ミエリン塩基性蛋白などの検査所見も正常化した.
臨床神経症状の増悪を認める以前に, 髄液検査所見を指標にしてパルス療法を行うのがよいと考えられる.
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© 日本小児小児神経学会
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